落語-落語分析-ねずみ
ねずみ年になったので、久々に柳家さん喬の『ねずみ』を聴いてみた。*1 虎の彫り物のくだりを聴く度に、この噺とは恐らく関係が無いだろうと思いながらも、どうしても思い浮かんでしまうことがあって、今回はそれを書いてみようと思う。 ※ サゲ(落ち)につ…
これまでに聴いた「ねずみ」を振り返ってみると、登場する鼠屋の倅(以下、卯之吉)の演じ方に、落語家によって違いがあると感じ、その点について、分析してみた。 卯之吉の演じ方、3類型 冒頭、宿外れで卯之吉が左甚五郎に鼠屋までの道程を案内する場面に…
複数の「ねずみ」を聴いているうちに、大きく2つの系統に分けられることに気付いた。我々はこれを「番頭と女中頭が元々男女の仲だったとするかどうか問題」と名付け、議論してみた。 この違いは、物語全体の印象を左右するほどの違いだと思うのだが、良し悪…
これまでに4〜5人ほどの「ねずみ」を聴いた。今回は柳家さん喬のCDを中心に、他の落語家によるものと比較しながら、我々がどんな「ねずみ」を好むのかを考察してみた。 今回の主な論点は2つ。子どもの描き方と左甚五郎の描き方の2点だ。 まずは、子ども…
柳家さん喬の『ねずみ』を聴いていたら、「子丑寅卯・・・」という十二支が出てくることに気付いたという話。 「鼠屋」は「子」、「虎屋」は「寅」なのは当然なんだけど、柳家さん喬は他にも縁語のように十二支を忍ばせている。それに気付いたきっかけは、ま…