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落語、北海道、野鳥など。

帯広寄席に行ってきた

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帯広寄席に行ってきた

【場所】 帯広市民文化ホール

【開演】 平成31年4月14日(日)14時

【出演者と演目】

 柳家三三  「転失気

 柳家小里ん 「試し酒」

 仲入り

 柳家小三治 「粗忽長屋

 

【この記事の目次】

落語の感想

柳家三三

14時に開演したら、まずは柳家三三

なんと、ご自分で「めくり」をめくって(!)高座へ。

私たちが最初に三三さんを観たときは、まだ堅さがあって緊張している様子も見られたのだけど、今やすっかり余裕が出てきて、安心して観ていられる。そんな三三さんが前座の役を務めるとは、なんて贅沢な・・・。

枕の中で、学校寄席の経験も話しながら、落語の基本知識やマナーを紹介し、自然な流れで携帯の電源を切らせるように誘導していた。そんなことまでアナウンスじゃなくて三三さんがやってしまうのね。

そして、「転失気」を短めに。短縮版でも十分に面白かった。もう少し長く聴きたかったけど、今や風格さえ漂ってきた三三さんの前座みたいな姿は逆に貴重かも。(というか、あんなに上手い前座さんはいないよね。)

柳家小里ん

柳家小里んは「試し酒」。安定の大御所。余計なクスグリを一切入れずに最後まで聴かせるのはさすが。

「試し酒」は柳家権太楼のCD *1 を持っていて、何度も繰り返し聴いていた噺だけど、ライブで聴いたのは初めて。杯を空ける時の仕草など、やっぱりライブはいいね。

仲入り

「めくり」が「入り」になっていた。違和感があったので、ちょっと調べてみたら、「入り」は相撲で使われているらしい。落語では一般的には「入り」なんじゃないかなぁ。

最後に「撮影はご遠慮ください」のアナウンスが。三三の時も小里んの時も枕の間に写真を撮っている人が複数いて、しかもシャッター音まで出ていた人もいたからなぁ。

柳家小三治

トリはもちろん小三治

高座に上がって第一声・・・の前に、ちょっとした仕草だけで、「こんなに大きなホールにいっぱいのお客さんで、驚いております」っていう感じを表現し、客の心をつかんでしまった。ひと言も発していないのに、(来た甲斐があったなぁ)と思っちゃいそうになった。

そして、枕が始まる。まずは写真撮影に対する小言から。でも、この日の小三治は機嫌が良かったのか、枕が長い(ラッキー!)。六花亭の寄席に初めて出た時の話から、北海道のバイク旅の話、先日放送された番組の裏話など。*2

ようやく噺に入ったところで、帰ってしまうお客さんが。汽車 *3 の時間にでもなっちゃったのかなぁ。可哀想に。

小三治の「粗忽長屋」は「日本の話芸」で観たことがあって、枕の雰囲気からもしかして・・・と思っていたら、案の定「粗忽長屋」。同じ噺でも、テレビで観るのとライブとではやっぱり違う。

噺が終わって・・・

いつものようにサゲまでやった後、三三さんの仕切りでタニマチ(?)の六花亭(元)社長をステージへ。六花亭が寄贈した椅子のための「こけら落とし公演」だからね。*4

三本締めの後、記念撮影をし、幕が下り始めたんだけど、小三治が挟まれそうになってヒヤッとした。すかさず三三さんが幕を止めるように指示をして、小三治を誘導。三三さん、最初から最後まで大活躍。*5

幕が重なり、顔が隠れる直前、「またね〜」と子どものように手を振る小三治。やっぱり機嫌が良かったのね。

枕が長くて疲れたけど *6 、やっぱり時間をかけて観に行っただけの価値はありました。

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久々に訪れた帯広の印象

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今回は進入ポイントに音更を選定。北側から帯広に接近するルートだ。

この日の十勝地方は天気が良く、十勝岳連峰と十勝山脈がよく見えた。近景には畑や立ち並ぶ民家、遠景には美しい山並みっていう風景が好き。(この家の人は毎日こんな風景を眺めながら生活しているんだなぁ)って考えるのが面白い。(他人から見れば、我が家の周辺もそんな風に思われるんだろうけど。)

帯広に近づくと、広瀬すずからのメッセージが入った「なつぞら」のポスターが。市内には壁画みたいな巨大看板も。

さて、今回のミッションは「昼食をどこで調達するか」がポイントのひとつ。帯広は周辺も含めて美味しいものがたくさんあるんだけど、「早めに並ぶ」という戦略目標を忘れてはならない。

諸般の事情を鑑みた結果、帯広駅構内の「トラントランますや」でパンを調達することに。帯広界隈は美味しいパン屋さんがたくさんあって、どこにするか迷うのが通例なんだけど、今回は「ますや」しかないだろう。会場に近いからね。

値段を見ないで選んでいたら・・・とか、普通はお金持ちの台詞だろうけど、子どものお小遣いでもお腹いっぱいになりそうな価格帯なので、普通の大人なら財布の中身を心配しないで買えちゃうだろう。で、味は普通に・・・美味しい。十勝産の素材を使っていて、この味、この値段・・・コスパ良すぎ!(でも買い過ぎと食べ過ぎには注意だ。)

ついでに「十勝しんむら牧場クリームテラス」で「飲むヨーグルト」を購入。ちょっと高い気もしたけど、パンが安かったから、まぁいいだろう。美味しかったし。コスパは悪くないよね。

長崎屋の駐車場は無料だったし、やっぱり帯広はトータルでコスパがいいよね。(というか、北海道はだいたいそう。)

 

そうだ 北海道、行こう。

 

会場となった市民文化ホールについて

不満というほどではないのだけど、「できれば改善して欲しいなぁ」という要望が3点ほどある。

  1. 全席自由ではなく、指定席にして欲しい
  2. 駐車場内の表示を分かりやすくして欲しい
  3. 施設内の段差が分かりやすいようにして欲しい
「全席自由」について

これは会場の問題ではなくて、運営の問題なのかもしれないけど、今回の「全席自由」には本当にまいった。

自由席だとどういうことが起きるか、書き出してみよう。

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  • 開場の何時間も前から並ばなければならない。昼食を早めに切り上げるか、席を確保した後に食べるしかない。ゆっくり買い物をする時間もない。(せっかくの消費の機会を逃しているのでは?)
  • また、並んでいる時間が長くなる。足腰の弱い人にとっては、かなりの負担だ。(これが最大の問題だと思う。)
  • 結局早めに開場し、行列が進み始めたら、後ろのおば様がずんずん押してくる。いくら押したって、順番は変わらないのに。押されて転んでしまったら、危ないじゃないか。行列に慣れていない人が多いから、恐いよ。(マナーの問題なので、みんなが気を付ければ、改善は可能だ。)
  • そして、チケットを切ってもらったら、走り出す人が。ぶつかって転んでしまったら、危ないじゃないか。骨が弱い人がいるかもしれないんだよ。(マナーの問題なので、みんなが気を付ければ、改善は可能だ。)
  • ホールに入ったら、並んでいなかった人の分も含めて、何席も取ってしまう人も。これって行列を作る意味があるの?(マナーの問題なので、みんなが気を付ければ、改善は可能だ。)

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指定席にすると、こうなる。

  • 時間に余裕ができるので、昼食の自由度が高まり、買い物をする時間がある。(つまり、消費が増える。)
  • 足腰が弱い人の負担が少なくなる。(これが最大のメリット。)
  • 押したり走ったりする人が減るので、安全性が高まる。(マナーの改善を待たなくて済む。)

いいことずくめだと思うのだけど、運営コストが上昇してしまうのだろうか。

「駐車場内」について

隣接する長崎屋の駐車場が無料で使えるのは有り難い。駐車場までたどり着くのも難しくはない。しかしながら・・・

  • 駐車場内の表示が少なく、とても分かりにくい。どちらに向かえば立体駐車場の上階へ行けるのか、なかなか見つけられなかった。
  • そして、駐車場から市民文化ホールへ誘導する案内表示がない。あるのかもしれないけど、少なくとも簡単に見つけられるような場所にはない。

地元の人には常識なのかもしれないけど、観光客にとってはこういう些細なことがつまずきになる。

「段差・斜面」について

増改築でもしたせいなのか、施設内に段差が何カ所かあった。健康な人には問題ないだろうが、体調が悪い人、視力が弱い人、足腰が弱い人には障壁となる。

斜面(スロープ)になっているところもあったが、実は段差を斜面にしただけでは、障壁が解消されたとは言えない。視力が弱いと、斜面に気付かずにつまずいてしまったり、視覚的な情報と体の感覚が合わずに、目眩を感じてしまうことがある。

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斜面そのものを解消するには、多額の費用がかかるだろうけど、床の色をはっきり変えて目立たせるなど、コストを抑えながら転倒防止を図る方策はあると思う。市民文化ホールでは、少し違う色になっていたように思うが、もっとはっきり変えてもらえるとさらに見分けやすくなると思う。

どんな人にもやさしいユニバーサルデザインを意識して欲しい。

*1:柳家一門名演集 一 柳家さん喬【寝床】/柳家権太楼【試し酒】/柳亭市馬【船徳】/柳家喬太郎【擬宝珠】 [ (オムニバス) ]楽天

*2:函館で宿泊していたところが気になっていたのだけど(「人間国宝 柳家小三治 噺家人生悪くねえ」を観て - tadashiro’s blog:内部リンク)、コンドミニアムと判明。

*3:北海道で走っている列車の多くは気動車で、電車ではない。特急も同様。

*4:座り心地が良い椅子だった。長時間座っていた割には、疲労が少なかったと思う。

*5:小三治はもはや歴史上の人物並みなので、「さん」を付けにくい(まだお元気だけど)。でも、三三さんは「さんさんさん」って読まれちゃいそう。

*6:「長くて疲れた」なんて贅沢を言ってごめんなさい。「肉体的には」という意味です。当方、体幹が弱いもので。

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