tadashiro’s blog

しろのブログ

落語、北海道、野鳥など。

北国の春

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うちの敷地に(勝手に)生えている白樺も葉っぱが出始めて、ふと見上げると青い空南風が吹いてきて、丘の方に目を向けると、北こぶしの花が・・・ってリアル「北国の春」ね。

 

道東にも遅ればせながら春がやって来たようです。念のため書いておくと、「道東」っていうのは「北海道東部」のこと。同じような使い方に「道北」「道央」「道南」っていうのがあります。なぜか「道西」だけはあまり使わないので注意してね。

 

さて、道外の人にはあまり知られていないようなんだけど、道東に春が来るのは、大体この時期になるんです。例年、知床横断道路の開通がゴールデンウィークに間に合うかどうかっていう感じなんだけど、今年は間に合ったのかな。

 

以前、東京の知人がこの時期に訪ねてきてくれたとき、「ここ来る前に知床ってことろに行ってみたら、猛吹雪で通れなくなっていたよ。お土産に葛切りなんか持ってきちゃったんだけど、季節外れだよね。ごめんね。」って言っていたんだけど、こんな時期に吹雪きなるなんて想像できないことは十分わかっているから大丈夫だよ。

 

っていうか、たねやのお菓子なんて滅多にお目にかかれないから、季節関係なしに有り難くいただいちゃうよ!

それはさておき、私たちがどういうところに春を感じるかを書いてみるね。

 

雪が溶けて川になって流れていく・・・くらいだと、実はまだ春は遠いかなぁって感じ。最初に「春が近付いてきたなぁ・・・」って思うのは福寿草が咲き始めたとき。まだ地面が凍っているところもある頃にがんばって顔をだすから、なんか応援したくなる。でも、まだ油断はできない。冬に逆戻りしちゃうこともあるから。

 

おば様たちがワラビコゴミを採り始めると、もう春は間近って感じ。フキノトウも地面から顔を出し始めて・・・って、そうそう、結婚したばかりの頃、「近所のスーパーでフキノトウっていうのを見つけたよ! 美味しそうだから買ってみたよ!」って得意気に帰ってきたら、夫が「えっ・・・」て絶句しちゃった。

「えっ? なに? 買っちゃいけなかった?」って言ったら、「いくらでも道ばたに生えているよ」って。

 

犬の散歩をしながら、「これがそうだよ」って教えてくれたのが、全然違って見えるんですけど・・・。「うん。こうなる前の状態のを食べるんだよ。」ってことで、翌年の春に見てみたら、そこら中に生えていますね。これをお金出して買ってきたら、そりゃぁ驚くよね。

 

それから、渡り鳥が北へ帰っていき、小鳥エゾアカガエルが鳴き始める。エゾアカガエルは気温にとても敏感で、ほんの数度でも気温が下がると、ピタッと鳴かなくなったりする。(あぁ、今日はカエルが鳴かない気温なんだなぁ。また少し季節が逆戻りしたなぁ・・・)なんて思うんだけど、近所の子どもは半袖で走り回っていたりする。

 

だから、窓から見える様子だけで判断して、薄着のまま外に出たりすると、寒くて凍えそうになってしまう。油断禁物だ。こんなに寒いのに、なんで半袖でいられるの? 東京ならダウンを着るような気温だよ・・・って夫も半袖だし。遺伝子レベルでの違いでもあるのだろうか。

 

そして、色んな花が一気に咲き始める。以前、spring って単語について、「春、バネ、泉という一見バラバラな意味があるように思えるけど、『勢いよく飛び出す』っていう点では共通している」って習ったのだけど、あまりピンと来ていなかった。

でも、北海道の春は、まさに「勢いよく飛び出す」感じなので、感覚的に納得できるようになった。イギリスと北海道って、多分気候が似ているんじゃないかな。

 

最後にようやく桜の花が。桜前線とやらが東京を過ぎると、情報量が一気に少なくなって、道南に到達したらもう終わりって感じになっちゃうけど、こっちで桜が咲くのはゴールデンウィークが過ぎてから。

 

ちなみに、こっちの桜はエゾヤマザクラとかチシマザクラとかいう種類が多いみたい。最初の頃は、花よりも葉っぱが目立っているように思えて、ソメイヨシノが恋しかったんだけど、長かった北海道の冬に短い別れを告げる花だと思うと、愛着が出てきた。

短い夏よりもさらにさらに短い北海道の春を楽しもう。

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