tadashiro’s blog

しろのブログ

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「演芸図鑑」で柳家さん喬の『長短』を観て思ったこと

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NHKの「演芸図鑑」を毎週見ている。そんなに早起きはできないから、録画視聴だけど。

今週の落語は柳家さん喬の『長短』だった。

「相変わらず上手いなぁ」と楽しむことはできたのだけど、残念ながら観客の笑い声が気になってしまって、100%楽しむことができなかった。

さん喬の『長短』は録画してあるものが他にも2つあって、これで3つ目になるんだけど、今回のは保存版にするかどうか迷うところ。

ちなみに我が家の勝手なランキングを発表すると、こんな感じ。

  1. 「にっぽんの芸能」のゲスト出演で披露した『長短』
  2. 「えほん寄席」*1 の『長短』
  3. 「演芸図鑑」の『長短』

残念ながら「演芸図鑑」は最下位(個人の感想です)。

この番組、寄席っぽい雰囲気で落語を楽しませてくれる貴重な番組なんだけど、観客の笑い声や反応が気になってしまうことが頻繁にある。

笑い声が大げさ過ぎたり、タイミングがずれていたり、変な反応だったり、「この人たち、噺を理解しているのかなぁ・・・」と首をかしげてしまうことさえある。

ADさんあたりが変な指示でも出しているんだろうか。でも、「真打ち競演」ではそんなこと無かったなぁ。

実は「真打ち競演」の公開収録に参加したことがあるんだけど、あさひのぼるに対するリアクションの練習があったくらいで、特に細かな指示は無かったと思う。

「真打ち競演」と言えば、最近、柳家さん喬が出ていたなぁ。ってことは、もしかしたら、近くの町の公民館なんかにさん喬が来ることもあるかもしれない! 可能性は低いけど・・・

とか、どんどん横道にそれていきそうなので、話を元に戻さなきゃ。「演芸図鑑」の話だったんだ。

まさか、あの観客、サクラなんていうことはないよね・・・とか思っていたら、「R-1ぐらんぷり」の観客について書かれた、こんな記事を見つけてしまった。

この変な客の正体であるが、落語ファンの私はたぶん知っていると思う。日曜の早朝、NHKでやってる「演芸図鑑」と同じく、エキストラの客なんだろう。
つまり、お金をもらって演芸を聴く人たち。芸能事務所で、ドラマの背景に映る人たちと一緒に募集している。

sadakichi.xsrv.jp

にわかには信じ難い話なんだけど、同じ記事に「この演芸図鑑の客の正体について、他局で堂々とバラしてしまったのが春風亭一之輔師」とも書いてあるから、多分本当なんだろう。

ってことは・・・だ。観客に対してじゃなくて、番組を制作している人たちに物申したい。

まさか「大きな声で笑うように」っていう指示を出したりはしていないでしょうね? だとすると、落語を知らない人が落語の番組を作っているっていうことになってしまう。

勝手なイメージかも知れないけど、落語の笑いって割と静的な感じだと思っている。少なくとも我が家の好きな落語家の笑いは。上方とか、爆笑派と呼ばれる落語家とかだと違うんだろうけど。*2

我が家の好みを擬音語で表すと「クスッ」とか「ニヤリ」みたいな感じ。そういう静かな笑いの積み重ねが好み。

もちろん「ゲラゲラ」っていう笑いを否定するつもりはなく、そういうネタのときには全然気にならないのだけど、どんな落語家でも、どんな噺でもっていうのはやめてくれないかなぁ。

落語家のタイプや噺のタイプによっては、観客の皆さんに「無理に笑わなくても構いません」って指示してくれないだろうか。じゃないと、「真面目だけど落語はよく分からない」っていうような人たちが職務を果たそうとして、がんばりすぎちゃうんじゃないかなぁ・・・とか、こんなところに書かずに、直接NHKさんに言った方が良いのでしょうけどね。

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*1:えほん寄席(伸縮自在の巻) [ 柳家さん喬 ]

*2:柳家権太楼が爆笑派と呼ばれているようだけど、なんか違和感がある。爆笑派かなぁ。ご本人の著書に『落語家魂! 爆笑派・柳家権太楼の了見 (単行本) [ 柳家 権太楼 ]』っていうのがあるから、爆笑派なんだろうけど。

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