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「落語ディーパー!」は『花見の仇討』でしたね

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「落語ディーパー!」は『花見の仇討』でしたね

先日録画しておいた「落語ディーパー!」を見ました。

今回のテーマは『花見の仇討』でしたね。

名演として番組で取り上げられたものの中に、柳亭市馬のものがありましたが、あれは「日本の話芸」で放送されたものじゃないかなぁ・・・

と、我が家で保存版として録画してあったものを久し振りに見直してみたら、やっぱりそうでした。

市馬さんの『花見の仇討ち』は本当に面白いです。

往年の名人達の口演と比べても遜色がないと思います。

何か考えがまとまったら記事にしてみたいと考えていますが、今日はとりあえず「仇討ち」について調べたことを書いてみます。

「敵討ち」または「仇討ち」

巡礼兄弟役の2人が待ち合わせ場所に向かう途中で粗相をしてしまい、侍に「無礼討ち」されそうになる場面があるのですが、2人連れの侍の1人が彼らを本物の「仇討ち」であると思い込んだことで、許されます。

詳しい事情も聞かないうちに「仇討ち」は「見上げたもの」と見なし、「助太刀」の申し出までするのが少し不思議に思えたので、調べてみました。

認可制

 『落語ことば・事柄辞典 *1 』の「敵討ち」の項から引用します。

敵討ちは原則として武士にだけ許された行為で、現役の藩士・直参は所属の組織に、浪人は(略)居住地の奉行所所司代に届け出て、認可を得なければならない。

つまり、「敵討ち」は認可制なんですね。

孝子

また、「敵討ち」が認められるのは「父母や兄等尊属の親族が殺害された場合に限られ」ており、儒教で重要視された徳目の1つである「孝」に合致するため、「敵討ち」を試みる者は「孝子」と見なされたようです。*2

助太刀

「討ち手が女性や子供で、仇を討つことが難しい場合には、他者の力を借りることが認められていた」ようです。*3

つまり、助太刀は討ち手が仇よりも劣勢なことが明らかな場合に限られていたということのようなので、巡礼兄弟が五分の勝負をしているうちは、侍は手を出しにくいのですね。

正式には、助太刀も申請が必要だったようですが、まあその辺はあまり拘らないでおきましょう。

まとめ

まとめると、『花見の仇討』に登場する侍は、巡礼兄弟について次のように考えたと推測できます。

姿は巡礼だが仕込み杖を携えている→仇討に違いない→公の認可を受けた孝子→見上げたもの→助太刀いたそう

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