tadashiro’s blog

しろのブログ

落語、北海道、野鳥など。

落語-落語分析-井戸の茶碗

『井戸の茶碗』の「細川様」の描写について

以前、『井戸の茶碗』についての記事を書いていた時に、続けて書こうと思っていたのだけど、年末年始になったり、東出ブームが起こったりして、タイミングを逸していたことを書いておこうと思う。 この噺の後半、「細川」という殿様が出てくるのだけど、その…

柳家喬太郎の『井戸の茶碗』における(自分の欲望に正直な)清兵衛について(後)

柳家喬太郎の『井戸の茶碗』では、一般的に演じられる人物像とは異なる描写で清兵衛が演じられる。*1 一般的な清兵衛は「正直清兵衛」とあだ名されるほどの正直者だが *2 、喬太郎の清兵衛は「自分の欲望に正直」として、馬鹿正直な人物としては描かれない。…

柳家喬太郎の『井戸の茶碗』における(自分の欲望に正直な)清兵衛について(前)

『超入門!落語 THE MOVIE』*1 という番組で柳家喬太郎の『井戸の茶碗』を観て以来、ずっと引っかかってきたことがあった。 それについて記事を書こうと下調べしていたら、同じようなことを考えた方がおられたようで、既に記事にされていた。 屑屋の清兵衛は…

『井戸の茶碗』の「支度金」を通して柳家さん喬と喬太郎の違いを考える

古典落語が描く時代の価値観と現代の価値観との違いが大きい場合、それをどのように解決するかは悩ましい問題なのではないかと思われる。 『井戸の茶碗』では、高潔な人物である千代田卜斎が、高木作左衛門から百五十両という大金を受領するに際して、「何の…

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