tadashiro’s blog

しろのブログ

落語、北海道、野鳥など。

2019-01-01から1年間の記事一覧

なんで江戸の借金取りが関西弁なの?(柳家さん喬の『掛取万歳』を聴いて)

年末ということで、柳家さん喬の『掛取万歳 *1 』を聴いていたら、妻が「なんで江戸の借金取りが関西弁なの?」という素朴な疑問を抱いたので、それに答えるべく、夫が少し調べてみた。 年が明けるまであと数時間。今年中に書き上げられるか。(『掛取万歳』…

柳家喬太郎の『井戸の茶碗』における(自分の欲望に正直な)清兵衛について(後)

柳家喬太郎の『井戸の茶碗』では、一般的に演じられる人物像とは異なる描写で清兵衛が演じられる。*1 一般的な清兵衛は「正直清兵衛」とあだ名されるほどの正直者だが *2 、喬太郎の清兵衛は「自分の欲望に正直」として、馬鹿正直な人物としては描かれない。…

雪が積もって獣道が

雪が積もりました。 東京生まれで雪道に常に不安を抱いている妻にとっては憂鬱な季節なのですが、雪が積もると楽しいこともあるんです。 その1つが野生動物の足跡。 警戒心が強い野生動物たちですが、足跡は隠せないので、どの辺りを通ったのかが丸分かりで…

柳家喬太郎の『井戸の茶碗』における(自分の欲望に正直な)清兵衛について(前)

『超入門!落語 THE MOVIE』*1 という番組で柳家喬太郎の『井戸の茶碗』を観て以来、ずっと引っかかってきたことがあった。 それについて記事を書こうと下調べしていたら、同じようなことを考えた方がおられたようで、既に記事にされていた。 屑屋の清兵衛は…

『井戸の茶碗』の「支度金」を通して柳家さん喬と喬太郎の違いを考える

古典落語が描く時代の価値観と現代の価値観との違いが大きい場合、それをどのように解決するかは悩ましい問題なのではないかと思われる。 『井戸の茶碗』では、高潔な人物である千代田卜斎が、高木作左衛門から百五十両という大金を受領するに際して、「何の…

床下の換気口って冬の間は閉めるんだよね?

北海道の冬支度についていくつか書こうと思っているうちに、あっという間に寒くなってしまい、もはや季節外れみたいになってしまいましたが、今日も1つ書いてみます。 最近の住宅にはあまり見られなくなりましたが、我が家はそんなに新しくないので、基礎部…

ワイパー換えるの忘れてない?

自動車の話です。 雪国では冬になるとスタッドレスタイヤに交換することは結構知られていると思うのですが、ワイパーも交換することはあまり知られていないのではないでしょうか。 「冬用ワイパー」とか「雪用ワイパー」と呼ばれる商品があって、大抵はタイ…

会話から地の文へのシームレスな移行(例えば『天狗裁き』)

【この記事の目次】 会話から地の文へのシームレスな移行(例えば『天狗裁き』) サゲに使われる場合 ソフトランディング 噺の途中で使われた場合(『天狗裁き』の場合) 立ち退き要求から奉行所へ 大きな転換点 もしも境目が目立ったら 会話から地の文への…

ラー油とパプリカ

先日、餃子を食べていた時のこと。 何気なくラー油の瓶を見た夫が「ラー油って、色が薄くなったんだね」とひと言。 「そう、薄くなったんだよね」と妻。 そして、小皿に数滴垂らして、いくつか餃子を食べた後・・・ 「だいぶ賞味期限が過ぎていたけど、大丈…

「冬はつとめて」と言うけれど

今日もいつものように犬の散歩をしていたら、道端に霜柱が出来ていたので、写真を撮ってみました。 もう昼近くになっていたので、あまり勢いが感じられなくなっているような気がします。 やっぱり冬は早朝がいいのでしょうか。昼になると「わろし」なんでし…

NHKのローカルニュースに「嵐」が

昨日、いつものようにNHKのローカルニュースを見ていたら、「嵐」の話題が出てきて驚きました。 芸能人のコンサートがNHKのローカルニュースで取り上げられるなんて、他に記憶がありません。 たぶん、初めてなんじゃないでしょうか。 「嵐」の人気って…

「北海道 猛吹雪の恐れ」って北海道のどこ?

朝のニュースなんかで、「北海道 猛吹雪の恐れ」とかヘッドラインが出ると、ドキッとするのだけど、北海道はでっかいどうなので、北海道のどこなのかをちゃんと聞かないといけない。 今回は「日本海側を中心に」なので、太平洋側の道東は大きな影響はなさそ…

髭男と蛯原友里の紛らわしい話

紅白出場歌手のニュースを見て気が付いた。 「髭男」って「Official髭男dism」っていうバンドだったのか。 higedan.com おかしいと思ってはいたんだよ。 今さら「髭男爵」がブームになっているなんて。 そんなわけないよね。 って言ったら髭男爵に失礼か。 w…

旧式のコンデジで満月を撮影してみた

満月の写真を撮ってみた。 と言っても、一眼レフとかいう高級品は持っていないので、普通の・・・というか、結構古いコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)で。 【目次】 旧式のコンデジで満月を撮影してみた 目的 スペック 撮影方法 撮影した写真 夜景モード …

もうタイヤ換えた?

「もうタイヤ換えた?」 「そろそろ換えないとね。」 「いや、まだ大丈夫じゃないかなぁ。」 11月に入る頃から、道東ではこんな感じの会話がよく聞かれます。 自動車がないと生活しにくい地域なので、多くの人にとって関心が高い話題になるんです。 札幌の…

きな臭い根回し

物騒な記事タイトルにしちゃいましたけど、本当は「きな臭い」と「根回し」の、平和な話です。 「きな臭い」も「根回し」も、あまり平和な感じがしませんよね。 一般的には「きな臭い」は「戦争・動乱などの起こりそうな気配がする *1 」という意味で使われ…

ヘイゼルグラウスマナーにランチに行こうと思ったら

『グランメゾン東京』でジビエ料理を扱っていました。www.tbs.co.jp 「ライバル店に買い占められて、鹿肉が手に入らない!」なんて、北海道ではエゾシカが増えすぎて困っているくらいなのに。エゾシカを使ってくれれば良かったのになぁ。*1 我々道民も食べる…

『三枚起請』の遊女(喜瀬川)について

これまで『三枚起請』の騙され組3人について書いてきたのは、遊女(喜瀬川)について考察するためだ。 被害者の特徴を明らかにすることで、喜瀬川の人物像を推定しやすくしようと考えたのだ。 ※ 『三枚起請』のあらすじを確認したい方は ここをクリック し…

ツルウメモドキの果実と仮種皮

蔓梅擬と漢字で書くと、難読漢字クイズにでも使われそうなツルウメモドキ。*1 花は目立たないんだけど、黄色い果実が綺麗で、赤い仮種皮が出てくるともっと綺麗。 散歩中に道端で見かけるのは既に仮種皮が見えていたんだけど、我が家のは少し遅れていて、今…

紅葉と黄葉

1週間ほど前、天気が良かったので、モミジとミズナラの紅葉を撮ってみた。 あと数日したら、最高に綺麗になりそうだなぁ・・・なんて思いながら、夕方も散歩に出かけると、どこからかエゾシカの鳴き声が聞こえてくる。 この時季、日が陰り始めると一気に気…

『三枚起請』の第三の男(柳家さん喬の場合)

『三枚起請』には3人の男が登場する。 その3人のうち、最後に登場する男、Wikipedia では「C *1 」とされている人物に焦点を当てて、柳家さん喬の『三枚起請 *2 』を聴いてみたい。 ※ 『三枚起請』のあらすじを確認したい方は ここをクリック してくださ…

秋の散歩道

今日は冷たい雨が降っていて風も強く、手がかじかむぐらい体感温度が低くて、吐く息も白いほどなんだけど、少し前の天気が良い日の散歩中に撮った写真を何枚か載せておこう。 【この記事の目次】 秋の散歩道 赤い実の写真 ヤマハマナス(オオタカネバラかも…

柳家さん喬が演じる『三枚起請』の「B」(=「若旦那の亥のさん」)

Wikipedia では、『三枚起請』に登場する男3人を抽象化して「A」「B」「C」と表している *1 。東西や演者によって、名前に違いがあるためだ。 しかし、実際に噺を聴く際には、当然ではあるが、もう少し具体性を帯びた人物像を思い浮かべた方が楽しめるだ…

『三枚起請』の「棟梁」が棟梁である理由

『三枚起請』は、その基本的な筋が共通していても、登場する人物名が東西や演者によって違いがあるらしく、Wikipedia では、登場する3人の男性をそれぞれ「A」「B」「C」としている。*1 この3人が、自分達を手玉に取った遊女を懲らしめようと計画するの…

ラグビーを観ながら地デジ化に反対

今日はラグビーの日本代表がサモア代表と熱い戦いをしていたわけだが、我が家では声を上げて祈りながらテレビ観戦をしていた。 と言っても、祈っていたのは日本代表の勝利ではなく、いや、勝利も祈ってはいたんだけど、それよりも強く祈らなければならなかっ…

マユミの実が鮮やかに

樹種によっては紅葉が進み、でもまだ山全体にまでは及んでいないこの時季、我が家の庭で目を引くのがマユミの木。 ja.wikipedia.org 普段はあまり特徴のない木で、花の色も薄い緑だから、葉っぱに紛れてしまって目立たないのだけど、秋になると果皮が割れて…

柳家さん喬が演じる『棒鱈』に登場する「侍」の人物像を推定してみる

上手い落語家が演じる落語は、予備知識が無くても充分に面白いのだけど、一般教養レベルのほんのちょっとした知識があれば、より面白く聴けると思う。 例えば柳家さん喬の『棒鱈 *1 』は、何も知らずに聴いても楽しめるぐらい上手いのだけど、時代設定ぐらい…

雪虫1号

北海道では9月に入ると、スタッドレスタイヤや暖房器具のTVコマーシャルが流れ始め、「いくらなんでも早過ぎだろう」って言うのが毎年の恒例なんだけど、そう言っている内に気温がぐんぐん下がって、朝晩は暖房を点けずには過ごせなくなってしまうのも恒…

柳家さん喬の『棒鱈』の面白さを探る

『棒鱈』の筋はとても単純だ。100字程度に要約すると こんな感じ だが、要するに「酔っぱらった町人が侍に絡む」というだけの話だ。 こんな噺がなぜ面白いのだろう。 柳家さん喬の口演に基づいて、考えてみたい。*1 【この記事の目次】 『棒鱈』の面白さ…

烏帽子のようなニワトリのトサカのような紫の花(悪用厳禁)

4年ほど前、風で種が飛んできたのか、鳥が運んできたのか、うちの庭に綺麗な紫色の花が咲いた。 多年草らしく、それから毎年のように、同じ時季に同じ場所で咲いてくれる。 (2015年9月撮影) 特徴的な花の形をしていて、たとえて言うと、烏帽子のよう…

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