いつものコースを散歩して、住宅街の程近くまで来ると、関東からと思しき１台の車が路上駐車していました。
こんなところで何をしているんだろう・・・と不審に思いながらも通り過ぎると、エゾセンニュウの鳴き声が。
なかなか姿が見えないので、声がする薮の方にそーっと近づいてみたり、色んな角度から見てみたりしていたら、フキの葉の下にちらりと姿が見え、もしかしたら写真を撮れるかも・・・と思ってカメラを構えたら、通り過ぎた車を降りた年配の男性が近づいてきて、「地元の方ですか？」と話しかけてきました。
話してみると、近くのコンビニに寄ったら鳥がいそうな場所が見えたので、車を停めてみたとのこと。
すると、エゾセンニュウの鳴き声が聞こえたので、姿が見えないかと待っていたようです。
すごい勘ですね。
でも、話が止まらなそうだったので、エゾセンニュウに余計なストレスをかけてしまわないかと心配になり、少しずつ薮から離れておじ様を誘導し、話を続けました。
「ところでこの辺りにはヤマゲラはいますか？」と聞かれたので、「いることはいますが、滅多に見られないので、和琴半島に行かれては？」と答えると「わことはんとう？」と、ご存じない様子。
屈斜路湖だと伝えると、「ああ、屈斜路湖は知っています」とのこと。
そして「やっぱりエゾライチョウを見たいなぁ」と。
えっ？ ヤマゲラの話だったのでは？
「お前はせっかちだから、あまり鳥が見れないんだなんて仲間からは言われとるんですわ」と仰っていましたけど、それはあながち間違ってはいないかも。
で、「最近、厚岸町でエゾライチョウを見たという人がいますよ」と答えると「でもクマが多いらしいから・・・」という反応。
うーん。そんなにたくさん出るわけでもないんだけど、ニュースになっていましたからね。
と思っていたら、「コアカゲラはいますか？」と次の質問。
「アカゲラやオオアカゲラはよく見ますが、コアカゲラは・・・」と答えると「アカゲラやオオアカゲラなんてたくさんいるから、見てもつまんない」ですって。
確かに珍しくはないですけど、見るたびに嬉しくなっちゃう人もいるんだけどなぁ・・・
ならば、と思って「向こうにオオジシギがいましたよ」と言ってみると、「オオジシギなんて霧多布に行けば、いくらでも見られるから」ですって。
この方、きっと鳥が好きというよりも「どこそこで◯◯という珍しい鳥を見た」を増やす方が大事なんでしょうね。
目の前にいるアオジには全く興味を示しませんでしたし。
そりゃあ、私だって珍しい鳥を見ると嬉しいですよ。
エトピリカを見るために船に乗ったこともありますしね。
でも、身近な鳥だって、見るのが好きな人もいるんですよ。なにも、そんな言い方をしなくたって・・・
じゃあ、お前はカラスやスズメにも興味があるのかと言われれば、ごめんなさいって感じですけど。
そして、再びエゾライチョウの話に戻り、一応場所を聞いておきたいから地図を持ってくると仰って車から持ってきたのは地図ではなくてスマホ。
「ええと、『あっけし』というのはどちらの方角ですか？」
ん？ 方角？ 検索しないの？ と思いながら、方角を伝えてもピンと来ない様子。
「釧路と根室の間ですよ」と伝えても、なかなか見つけられないようなので、スマホを借りて厚岸町を表示させると、「ああ、『あっけし』とはそう書くのですか」ですって。
うーん、フェリーで苫小牧に上陸して霧多布へ行ったのなら、普通は厚岸町を通過するんだけどなぁ・・・
それに「クマが多い」なんていう噂は知っていたのに。
ラジオで聞いたのか、お仲間から聞いたのか、ともかく「あっけし」を音としては知っていたのだけど、それが「厚岸」だとは認識できずに通過していた・・・ということなのでしょうかね。
だとすると、せっかくのクマ情報も役に立たないと思うんですけど。
まあ、厚岸に限らず、道内どこだって不用意に山に入れば、クマに遭遇する確率は高まりますけどね。
そうこうしているうちに、関西から来られたというお仲間が１人加わって、延々と話が続きそうだったので、その辺で失礼させていただきましたが、散歩を終えて帰宅すると、もうお昼。
午前中のうちに買い物を済ませて、昼食は家で・・・と計画していたのですけど、難しくなったので、街へ出て外食し、買い物をして帰ってきました。
すると、お二人が同じ場所にまだいらっしゃるではないですか！
３〜４時間くらいは経っていると思うんですよね。
その間、ずっと話していたのでしょうか。
近くにいたエゾセンニュウが嫌がってどこかへ行ってしまわなければよいのですが。
・・・ということがあった翌日。
同じ場所へ行ってみると、ちゃんとエゾセンニュウの鳴き声が聞こえてきました。
良かった。
ここで、写真をお見せできると良かったのですが、残念ながら写真は撮れませんでした。
来週以降に持ち越しですね。
他の鳥や花の写真は撮ったのですけど、久しぶりに長い文章を書いたら疲れちゃったので、それらはまたの機会にします。
取り留めのない長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
