tadashiro’s blog

しろのブログ

落語、北海道、野鳥など。

「なつぞら」がきっかけで北海道へ嫁いでくる女性に向けてのアドバイス(「食べなさい」には気を付けて)

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「落語ブログ」を目指していたはずが、「北海道」の話題が多くなっている気がするなぁ。

落語について書こうとすると、どうしても真剣になってしまうから筆が遅くなるけど、北海道のことは日々感じていることを文字にするだけだから、すぐに書けてしまうんだよね。

さて、「なつぞら」がもうすぐ東京編になってしまいそうなので、その前に書こうと思っていたことを今のうちに書いておこう。(と言っても、「なつぞら」はただのきっかけで、ドラマの内容とはほとんど関係ないんだけど。)

北海道編では、(朝ドラでは定番の)食卓のシーンがけっこう出てくる。何でもかんでも面倒くさい見方をする夫は、特にヒロインのなつが北海道に来た当初の食卓を見て、「いくら十勝でも、戦後すぐにこんな食材があるかなぁ・・・」なんて言っていたのだけど、北海道らしさは表現されていたと思う。*1

テーブル一杯に並べられた食べ物になつが驚いているシーンを見て、妻が初めて夫の実家を訪れたときのことを思い出した。「なつぞら」を見たことがきっかけで道外から北海道へ嫁いでくる人もいるだろうから、経験者としてアドバイスを書いておこうと思った次第でございます。

(そんな奴おらへんやろ・・・と思った方、「北の国から」と「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」がきっかけで北海道に興味を持った結果、移住までしてしまった妻がここにいますよ。移住してすぐに「あれはファンタジーだった」ってことには気が付きましたけどね。その後、北海道生まれの夫と結婚したので、ウン十年も居座っていますよ。)

そんな妻が結婚前に初めて夫の実家を訪れたときのこと。まさに「なつぞら」のように食卓一杯の食べ物が出てきたわけですよ。海の幸、山の幸が次々と出てきて、テーブルに収まりきらない・・・っていうのが大げさではなくて、本当にはみ出してしまったのですよ。テーブルが2つ並べてあったのはそのためだったのか。

「珍しいものでなくてごめんねぇ・・・」とか「もらいものしかなくてねぇ・・・」なんて言われたけど、東京ではどれも珍しくて高級なものばかりですよ。こんな高級食材がただでもらえちゃうんですか? それって普通なんですか?

夫の実家は一次産業に従事していて、取れたものをあげたりもらったりで色んな食材が集まるらしい。業務用みたいな巨大な冷凍庫にたくさんストックされていて、「新しい魚をもらったから、去年のを食べちゃわなきゃ・・・」なんてことは日常茶飯事のようだ。

話を元に戻そう。

(どれも美味しいんだけど、こんなに食べきれないよぉ・・・でも、残したら失礼かなぁ・・・)と思いながらがんばって食べていたら、義母がにっこり笑って「食べなさい(笑)」って・・・。そうですよね。出されたものは食べなきゃだめですよね・・・。

で、必死になって食べたのだけど、到底食べきれる量ではなく、あえなく撃沈。随分残してしまいました・・・(涙)。それを見た義母が残念そうに「あらぁ、食べないねぇ・・・」と。

いくらなんでもこの量は無理ですよ、お義母さん・・・。とは言えませんよ。一応しおらしい嫁を演じる気があったのですから、当時は。今ならはっきり言えちゃいますけどね(笑)。

後で夫に聞いたら、義母の「食べなさい」は「食べなさい」ではなかったらしい。

東京生まれの妻は「食べなさい」の語形から文字通りの「食べなさい」に受け取ってしまったのだけど、北海道弁の「食べなさい」は表現の仕方によって「どうぞ、召し上がってください」という意味にもなるらしい。なんか英語の命令文みたいだね。

それはそうと、早く教えてくれよ、夫。食べ過ぎでお腹が痛くなっちゃったじゃないか。「文脈で分かると思った」って・・・お姑さんになる方の前で緊張しているんだから、そんな冷静に判断できるわけないじゃないか。

北海道のお宅訪問を前に緊張している皆さん。「食べなさい」のように最後を高く、柔らかめに言ったときの「食べなさい」は、無理して食べなくていいんですよ。

うちの義母なんかは「食べきれないだけ出すのが礼儀」っていう風に思っているようなので、「あらぁ、食べないねぇ・・・」は勝利宣言みたいなものです。だから、早めに「もう、お腹いっぱいですぅ・・・」と降伏宣言して早期講和に持ち込むのが平和への道ですよ。ご参考までに。

 

*1:北海道弁の記事を読んでくださった方の中には、ダブルスタンダードだと思われる方がいらっしゃるかもしれないけど、「らしさ」を重視しているという点では一貫しているとご理解ください。北海道弁についても、「らしさ」が表現できれば十分だと思うのですが、その「らしさ」が表現できていないのでは? っていうのが当該記事の趣旨です。

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