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『なつぞら』の「おバタ餡サンド」っぽい「あんバタサン」を買いに行ってみたら・・・

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NHKの朝ドラなつぞら」についての記事です。

ドラマに出てきた「おバタ餡サンド」というお菓子のモデルについて考えてみました。

これのモデルは六花亭の「マルセイバターサンド」かなぁ・・・でも、材料とネーミングは柳月の「あんバタサン」だなぁ・・・だけど、「あんバタサン」が売り出されたのは、つい最近だしなぁ・・・「あんバタサン」はまだ食べたことがないから、とりあえず、買ってみようか。(何が「とりあえず」なんだ?)

ってことで、買いに行きました。

【この記事の目次】

なつぞら』の「おバタ餡サンド」っぽい「あんバタサン」を買いに行ってみたら・・・

ショッピングモールへお出かけ

大型のショッピングモールに行くと、たいてい六花亭と柳月のテナントがすぐ近くにあって、しのぎを削っています。

うちは六花亭派なのですが、決して柳月が嫌いというわけではありません。というか、むしろ好き。

柳月へGO!

柳月には、「三方六」は言うまでもありませんが、「きなごろも」とか「百代餅」とか、他にも美味しいお菓子がたくさんあります。生菓子だと「プディング」が一番好きかな。

ちなみに、夫の職場では、なぜか異動の挨拶やなんかで柳月のお菓子をくださる方が多く、その時期には結構な確率で柳月のお菓子をお土産に持ち帰ってくれます。えらいぞ、夫。妻だったら、内緒で食べちゃうけどなぁ(笑)。

なんていう話はさておき、柳月へGO

・・・と、行ってみたのですが、なんと「あんバタサン」は品切れ。テレビの力、恐るべし。たぶんなつぞら」の影響で、買う人が増えたんでしょうね。

六花亭で「マルセイバターサンド」

しょうがないから、六花亭の「マルセイバターサンド」だけを買ってきました。本当は2つ並べて写真でも撮ってみようと思っていたのですけどね。たとえ「あんバタサン」が手に入らないとしても、一度買う気になってしまった「マルセイバターサンド」を買わずに帰るなんてことはできませんよ。

すぐに食べるか、少ししっとりさせてから食べるか迷うなぁ。『なつぞら』のとよばあちゃんが「煎餅もやわらかくなってきて年寄りにもいけるよ」と言っていましたが、年寄りじゃなくても「いける」んですよ。

「あんバタサン」ってそんなに前からあったっけ?

それにしても、テレビの影響力はすごいなぁ・・・ってことで、帰宅してからネットで検索してみると、「おバタ餡サンド」のモデルは柳月の「あんバタサン」だ!・・・と断定的に書いている記事がありました。

あれ? 「あんバタサン」ってそんなに前からあったかなぁ? と、さらに検索してみたら、やはり「あんバタサン」が発売されたのは2018年のようです。

このお菓子が販売されたのは2018年夏

news.yahoo.co.jp

柳月の公式サイトから

それが、なんで昔からあったかのように思われたんだろう・・・と、思っていたら、柳月の公式サイトにそう思わせるような文章が出ていました。

当時は邪道と言われた「あん」と「バター」を合わせて見ました。

今回は、今は昔、その頃を懐かしみながら(略)「あん」と「バター」のコラボレーションスイーツをおつくりしました。

www.ryugetsu.co.jp

でも、よくよく読んでみると、作ったのは「今回」であって、「当時」は「合わせて見ました」とあるだけで、商品として売り出したとは書いてありません

なんだか現代文のテストのようですね。試しに全文を引用して、問題を作ってみましょう。

読解問題

以下の文章の内容として正しいものを、後に続く選択肢から1つ選びなさい。

 時は昔、まだ、昭和20年代のおわりごろ——。時代が甘味を求めるようになったとはいうものの、まだまだ和菓子が全盛で、洋菓子はあまりみられなかった時代——。

 そんな中、柳月の職人たちは、もっと新しくてみんなが喜ぶお菓子ができないか。いつもそう思いながら仕事に励む日々・・・、ちょっとした拍子に、もしやとばかりに、当時は邪道といわれた「あん」と「バター」を合わせてみました。邪道と想いつつも、食べてびっくり!あん・ビリーバボ〜!その「うまさ」ときたら、なんと、なんと、なぜ、今まで無かったんだろう?とうならんばかりの好相性。とにかく旨い。とにかく合う。

 「あん」の優しい風味と、「バター」のまろやかさが、そのお互いの風味を引き立てあい、さらに、新しい「味の友情」さえ醸し出しているではありませんか。よく考えれば「あん」も「バター」も、小豆と牛乳——。このふたつは、北海道十勝が本家本元、同じ地で生まれた同郷のよしみ。合わぬはずがございません。素材を愛する職人の技があいまって、究極の和洋折衷の出会いでありました。

 今回は、今は昔、その頃を懐かしみながら、風味豊かな「特選バター」と、柳月「特製小豆あん」を合わせて「あん」と「バター」のコラボレーションスイーツをおつくりしました。さっくり、しっとりしたサブレでサンドした、美味しい和洋のマリアージュ。柳月の「あんバタサン」をどうぞ。

  1. 柳月の職人たちは当時、「あん」と「バター」を合わせることが邪道だとは思わなかった。
  2. 柳月の職人たちは当時、「あん」と「バター」を合わせた商品を売り出した。
  3. 柳月の職人たちは「あん」と「バター」が合わぬはずがないと考えて和洋折衷の菓子を思いついた。
  4. 柳月は当時を懐かしみながら「あん」と「バター」を合わせた菓子を作った。

では、解説です。消去法をうまく使って正解を導きましょう。1は本文に「想いつつも」とあるので誤り。2は本文に「合わせてみました」とありますが、「売り出しました」とは書いていません。3は本文に「よく考えれば」とあり、合わせた時点では考えていなかったことが分かります。ということで、正解は4になります。

Yahoo!ニュースから

念のため、先に紹介した Yahoo!ニュースのページ から、「柳月の企画開発室・阿部さん」のインタビューを引用しておきましょう。(引用元はすべて太字)

「当時まだ餡などの和菓子が主流だった時代に、柳月の職人は何か新しいものができないか日々研究をしていました。そんなある日、職人が和菓子の『あん』と、洋菓子の『バター』をふと組みあわせてみました。当時はまだ和洋折衷が珍しく、邪道とさえ言われていたのですが、これが大変美味しく、その後も試作が重ねられてきました。そして、去年の夏、十勝らしいお菓子が検討されている中で、『あん』と『バター』はどちらも十勝を代表する食材で、その魅力を詰まったこの『あんバタサン』がちょうどいいこのタイミングで発売する流れになりました」(原文ママ

2つの文章を簡単にまとめると、「職人が『あん』と『バター』を合わせようと思いついたのは昭和20年代。試行錯誤を重ねて、発売したのが2018年の夏」ということですね。

一方、「マルセイバターサンド」が発売されたのが1977年なので *1 、ドラマの設定である「昭和42年(1967年)頃」にはこちらの方が近いでしょう。

でも、プロポーズの台詞に都合が良かったのは「あん」と「バター」の方でしょうね。「レーズン」と「バター」じゃ、あのプロポーズにはなりませんもんね。

結局どっち?

というわけで、結局何が言いたいのかというと、「おバタ餡サンド」のモデルは「あんバタサン」ではない!・・・ということではなく、たぶん「マルセイバターサンド」と「あんバタサン」の両方がモデルなんじゃないかなぁ・・・ということです。

そもそも、「雪月」自体が、六花亭と柳月の両方をモデルにしてそうなんですよね。長くなるから、これ以上は書きませんが。

追記

「あんバタサン」ゲット!

後日、念願の「あんバタサン」を購入することができました。

tadashiro.hatenablog.com

 

ちなみに、ネットで買えそうなところはこちら。

柳月オンラインショップあんバタサン

楽天柳月 あんバタサン 4個入

楽天【ふるさと納税】(1月以降発送分)とかち「柳月・あんバタサン」セット

 

【さらに追記】

なつぞら祭in北海道~なつよ裏話を語れよ~ 広瀬すずなど出演者が大集合!』という番組で、柳月の「あんバタサン」が紹介されていました。

「あんバタサン」がモデルで確定なのかなぁ。マルセイの線はないのかなぁ。

 

【さらにさらに追記】

なつぞら』最終話の放送終了後に北海道で放送された『なつぞら紀行』という番組で、「番長」が柳月を訪れていました。明らかに「あんバタサン」がモデルだという感じで。

「おバタ餡サンド」のモデルが「あんバタサン」だとNHKが言うのなら、それで確定でいいんですけど、気になるのは、「あんバタサン」が昔から売られていたかのように感じられる作りになっていたことです。

Yahoo!ニュース」の記事からは「発想してから何十年もの試行錯誤を重ねて、ようやく発売にこぎ着けた」と読み取れるのですが、本当のところはどうなんでしょうね。

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