物騒な記事タイトルにしちゃいましたけど、本当は「きな臭い」と「根回し」の、平和な話です。
「きな臭い」も「根回し」も、あまり平和な感じがしませんよね。
一般的には「きな臭い」は「戦争・動乱などの起こりそうな気配がする *1 」という意味で使われていると思います。
また、「根回し」は「交渉や会議などで、事をうまく運ぶために、あらかじめ手を打っておくこと *2 」で、悪いこととは限らないのですが、ドラマやなんかで、主人公に敵対する勢力が得意としていることが多いので、悪いイメージがつきまといますよね。
でも、一般的な辞書で最初に出てくる意味は、2つとも違うって知っていました?
田舎で暮らし始めて驚いたことの1つが、「転じて」生じた意味のほうが一般的になっている表現が、本来の意味で使われている場面に遭遇したことです。
その1つが「きな臭い」。
最近は薪ストーブを設置する家が増えていて、犬の散歩をしていると、薪が燃える匂いが漂ってくることがあります。寒い季節はほぼ毎日ですね。
うちも薪ストーブ設置を考えなかったわけではないのですが、けっこう大変そうなので諦めました。
まず、薪の確保です。
うちは敷地内に自生している木から自前で確保できるので、節約にもなりそうだったのですが、それだと、自分で薪割りをしなければなりません。
ご近所さんたちは楽しそうに作業していますが、うちは楽しめる自信がありませんでした。
体力ないですし、虫が怖いですし。
なんか、毛虫がついていたりするらしいんですよ。おぉコワッ。
買うこともできるのですが、それだとコスト面での魅力が薄れてしまいますよね。
あと、ストーブや煙突の掃除も大変そうだったし。
そうそう、「きな臭い」の話でした。
薪ストーブを設置する家がちらほら出始めた頃、散歩中に出会ったご婦人が「なんか、きな臭いわね」と呟いたのです。
ああ、そうか、「きな臭い」って元々は「こげくさい」って意味だったか。でも、最近、そんな匂いなんて嗅ぐことがなくなっていたなぁ・・・と思ったのでした。
それから「根回し」。
田舎だとガーデニングのスケールも大きくて、お花どころか樹木を移し替えることもあります。
だから「樹木を移植する前の準備作業」という意味の「根回し」という言葉を耳にすることがあるんです。
本来の「根回し」を知る前に持っていたイメージは、樹木の根が伸びていくように、あちこちに手を回すことかなぁ・・・って感じに思っていたのですけど、実際の「根回し」は「木を移植するに先立ち、根の周囲を切り詰めて細根を発達させておくこと」で、イメージと違っていました。
「移植前に根を切って回していたので」とする説もある *3 ようです。
他にもこんな感じで驚いた言葉があった気がするんですけど、思い出せません。
きっと、いつの間にか普通に使う言葉になってしまったんでしょうね。