正楽師匠の紙切りを観ると、必ず自分ならどういう注文をするかの議論になる。先日も「演芸図鑑」を観た後、議論になった。
実際には、うちにとっては高いハードルがいくつも待ち受けていて、実現は難しそうなんだけど *1 、それでも、妄想せずにはいられない。
考えるべきポイントは3つ。
- ずっと飾っておきたくなるような美しいものや面白いもの、記念になるもの。
- 「なるほど、そこをそう切り取るのか!」って感じで、師匠の創造性が発揮されるお題。
- 他の客も楽しませるもの。
1と2は、どちらかでもいいんだけど、できれば両方満たしたい。
3は、寄席というものは舞台と客席が一体となって創り上げるものだと思うので、実は結構大事だと思う。*2
以前、実際にあった注文で羨ましかったのは「権太楼とさん喬」ってお題。どんな風に切るのかな・・・と思っていたら、横向きのシルエットを見事に切り取っていて、一目でお二人だと分かるように仕上がっていた。「正楽が切った権太楼とさん喬」なんて、1枚で3度美味しいじゃないか。絶対に家宝級だよ。
あとは、「正楽師匠!」って注文を聞いたことがあって、(そうそう、私もそれ言ってみたいと思ってた!)って期待したんだけど、残念ながら採用に至らなかった。
で、自分ならどうするか、なんだけど、条件1として、まずは季節感を大事にしたい。そして、条件2のために、できるだけシンプルなお題にしようと思う。そうすれば、自然に条件の3も満たせると思う。
さぁ、いよいよ、妄想だぁ!
春なら「梅」とか「桜」とかどうだろう。一見簡単そうなんだけど、どう切り取るか、わくわくしながら待てるじゃないか。
夏なら「青空」とかどうだろう。どんな風に切り取るのか、想像さえできない。でも、きっと師匠は一目で空だと分かるような、美しい場面を切り取るだろう。
秋なら「夕日」かな。茜色の典型を白い紙でどうやって表現するか。
冬なら「雪」かな。白い雪を白い紙でどう表現するか。
なんか、張り切って妄想した割には、普通のお題ばっかりになっちゃったけど、紙切りの良さって、こういうお題でこそ発揮されると思うんだよね。
追記
実は、ちょっと言ってみたい気がするんだけど、きっと言ってはいけない注文があって、それは・・・「とりあえずビール!」ってやつ。本当に言ったらどうなっちゃうんだろう。やっぱり言っちゃいけないんだろうか。