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「人間国宝 柳家小三治 噺家人生悪くねえ」を観て

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人間国宝 柳家小三治 噺家人生悪くねえ」を観ての感想

ひとことで言うと、「小三治噺家人生」というより「小三治と北海道」って感じだった。*1 テレビ北海道の開局30周年特別番組らしいから、それも仕方ないか。*2

番組を観て思い出したこと

まずは、番組を観て思い出した個人的な想い出。

子どもの頃、学校帰りによく小三治のポスターを目にしていたことを思い出した。あの頃、毎年のように北海道に来ていたんじゃないかなぁ。母が「1回でいいから、聴きに行きたいなあ」と言っていたのも記憶にあるけど、結局1度も観に行っていないと思う。母親が子どもを置いて出かけるなんて一般的ではなかった時代だからね。でも、息子が行きたいって言ったら、喜んで一緒に行ったかもしれないね。

あの頃、落語会に行っていたら・・・

もし、あの頃、1回でも落語会に行っていたら、今頃は自慢できただろうなぁ。「俺は若い頃の小三治を観たことあるんだ。あの頃の小三治は・・・でねぇ。」とか、得意気に話せただろうなぁ。でも、当時は今ほど落語が好きだったわけではないからなぁ。っていうか、まだ子どもだったからね。落語を聴きたがるような渋い趣味の子どもなんて滅多にいないよね。第一、そんなことのために観るもんじゃないからね、落語は。

番組の感想

 さて、番組自体の感想なんだけど、もう少し小三治の落語とか落語観に迫って欲しかったなぁ、というのが正直なところ。小三治のことをあまり知らない人には、良かったかも知れないけど、小三治ファンには少し、というか、かなり物足りなかったのではないだろうか。滅多にないチャンスを活かし切れなかったように思う。

インタビューにハラハラ

「うーん、そんな聞き方じゃぁ、まともには答えてくれないだろうなぁ・・・」とか「あっ、それ言っちゃいけないやつだ・・・」とか、ある意味、スリリングなインタビューだった。

やっぱり小三治から言葉を引き出すには、広瀬和生ぐらい落語を聴いている人じゃないと難しいんじゃないかなぁ。*3

それならインタビューより・・・

短い噺でもいいから、というか、短いのはCDに収録されていないことが多いから、逆にそういうのを1席だけでも丸ごと流してくれれば、永久保存版になったのに。なんか、落語好きが作ったような感じが伝わってこなかったなぁ。

勝手な妄想

「インタビュアーはお前ね。」「えっ、自分っすか? 自分、落語ってあんま聞いたことないんすけど。」「ばか、視聴者だって同じだろ? 小三治って何?って視聴者がたくさん見るんだよ。へたに落語を知ってる俺なんかより、お前ぐらいの方が調度いいんだよ。」っていう上司が実は落語を知らないっていう状況を勝手に妄想してみた。

小三治の北海道への思い

とは言え、小三治の北海道に対する思いが聞けたのは評価できるところ。

地震のとき

あのブラックアウトした地震の時に函館に居たんだね。落語会を楽しみにしていた人は、中止になっちゃってがっかりしただろうなぁ。落語自体は電気がなくてもできるんじゃないかと思ったけど、トイレや照明が困るから、やっぱり中止にするしかなかったのかな。

「僕にとっての北海道は・・・」

稚内で知人と再会したときの「やっぱり僕にとっての北海道は・・・北海道ですよ。」っていう言葉が小三治らしい言い方。普通なら「第二の故郷」とか言い換えそうなものなんだけど、それをしないことで、逆に思いの強さが伝わってくる。いい言葉を引き出してくれたなぁっていうのはこの部分くらいだったかな。*4

帯広寄席が楽しみ

とにかく、小三治が北海道に特別な思いを抱いてくれているのは分かったから、4月の「帯広寄席」*5 がますます楽しみになった。

でも、どれくらい前から並べるかなぁ。「全席自由」なんだもんなぁ。何時間でも並びたい気持ちはあるんだけど、諸事情からそれは難しいからなぁ。

その他の気になったこと

ところで、小三治ご一行様が函館で宿泊していたところが、ホテルじゃなくてマンションの1室って感じだったんだけど、函館にマンションでも持っているんだろうか。どうでもいいことだけど。*6

あと、小三治スマホで写真を撮りまくる姿が、なんか面白かった。

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 追記

この番組がDVD化されて発売されるそうです。

 

 

*1:後日、帯広寄席(内部リンク)の枕で、小三治自身が「『ボクと北海道』ってサブタイトルが付いてたと思いますが・・・」とボソッと呟くのを聞くことができた。ご本人と見解が一致したものと考えている。

*2:TVh テレビ北海道(外部リンク)

*3:なぜ「小三治」の落語は面白いのか? (講談社+α文庫) [ 広瀬 和生 ]楽天

*4:でも、これ、インタビューではなくて、久々に再開した知人との会話で出た言葉だったんだけど、そういう状況を作り出した番組スタッフを評価しよう。

*5:過去記事(内部リンク)

*6:マンションではなく、コンドミニアムであったことを帯広寄席の枕で小三治自身が明かしていた。(帯広寄席に行ってきた - tadashiro’s blog:内部リンク)

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